「LGBT」という言葉、ニュースやSNSでよく見かけるけれど、実は意味をよく知らない…。
「なんだか複雑で難しそう」と感じていませんか?
この記事を書いている私は、女性を好きになる「レズビアン」です。
かつては私も、自分のセクシュアリティについて悩み、たくさんの情報を探しました。
この記事では、そんな私の経験も交えながら、「LGBTとは何か?」を基本から丁寧に、そしてどこよりも分かりやすく解説します。
多様な性のあり方を知ることで、あなた自身や、あなたの周りの大切な人のことを、もっと深く理解できるきっかけになれば嬉しいです。
【基礎知識】まずはおさえたい「LGBT」の基本的な意味

LGBT(エルジービーティー)は、セクシュアルマイノリティ(性的少数者)の中でも代表的な4つのあり方の頭文字を組み合わせた言葉です。
一人ひとり、好きになる人の性別や、自分自身の性のあり方は異なります。LGBTは、そうした多様な人々を指す総称の一つです。
L:Lesbian(レズビアン)
心も体も女性として、女性に恋愛感情や性的な魅力を感じる人のことです。
G:Gay(ゲイ)
心も体も男性として、男性に恋愛感情や性的な魅力を感じる人のことです。
B:Bisexual(バイセクシュアル)
男性・女性の両方の性に恋愛感情や性的な魅力を感じる人のことです。好きになる相手の性別を限定しないため、「パンセクシュアル」と自認する人もいます。
T:Transgender(トランスジェンダー)
生まれたときに法律的・社会的に割り当てられた性別と、自分自身が認識している性別(性自認)が異なる人のことです。例えば、「体は男性だけど、心は女性」と感じている人などが含まれます。
「+」って何?LGBTだけじゃない多様な性のあり方
最近では、「LGBTQ+」や「LGBTQIA+」という表現も増えてきました。これは、LGBTの4つだけではカバーしきれない、さらに多様な性のあり方を含んでいることを示しています。
- Q:Queer(クィア)/ Questioning(クエスチョニング)
- クィアは、既存の性のカテゴリーに当てはまらない人々を包括する言葉です。
- クエスチョニングは、自分のセクシュアリティや性自認が定まっていない、または探している状態の人を指します。
- I:Intersex(インターセックス) 生まれつき、男性・女性どちらか一方に典型的に当てはまらない体の構造を持つ人のことです。
- A:Asexual(アセクシュアル)/ Aromantic(アロマンティック)
- アセクシュアルは、他者に対して性的な魅力を感じない人のことです。
- アロマンティックは、他者に対して恋愛感情を抱かない人のことです。
- +(プラス) 上記以外にも、さまざまなセクシュアリティや性自認があることを示しています。
知っておきたい「SOGI(ソジ)」という考え方
LGBTと関連して、「SOGI(ソジ)」という言葉も重要です。
- SO:Sexual Orientation(性的指向):どんな性別の人を好きになるか
- GI:Gender Identity(性自認):自分の性をどう認識しているか
SOGIは、LGBT当事者だけでなく、すべての人に関わる概念です。 例えば、異性を好きになる人(ヘテロセクシュアル)もSOGIの一つです。この視点を持つことで、「LGBTは特別な人たち」という考え方ではなく、「性のあり方は一人ひとり違う」という当たり前の事実として捉えやすくなります。
【当事者の声】レズビアンの私が「自分らしさ」を見つけるまで
少し、私の話をさせてください。
物心ついたときから、私が好きになるのは女の子でした。でも、周りの友達は当たり前のように男の子の話で盛り上がっている。その輪に入れない自分に、「私はみんなと違うんだ」と、言いようのない孤独を感じていました。
転機になったのは、勇気を振り絞ったある友人へのカミングアウトです。 彼女はアニメや漫画が好きで、いわゆるGL・BLの作品にも詳しかったので、「もしかしたら、この子なら…」と、藁にもすがる思いで打ち明けました。
私の告白を聞いた彼女の第一声は、「そうなんだ!え、全然いいじゃん!!」という、想像以上に軽やかなものでした。 そのカラッとした反応に拍子抜けすると同時に、ずっと肩にのしかかっていた重い荷物がスッと消えていくのを感じました。
もちろん、今でも社会の偏見や理解のない言葉に傷つくことはあります。でも、たった一人でも「いいじゃん!」と言ってくれる味方がいる。その事実が、私に「自分らしくいていいんだ」という自信をくれました。
この経験を通して、誰にでも話す必要はないんだ、ということも学びました。 実際、私自身もまだ家族にはカミングアウトしていませんし、今後どうするかは決めていません。大切なのは、自分が「この人なら」と信じられる相手を見つけること。カミングアウトするかしないか、いつ、誰に伝えるかは、すべて自分自身で決めていいのだと思います。
私たちにできることとは?「アライ」になろう
この記事を読んで、「自分に何ができるだろう?」と考えてくれた方もいるかもしれません。そんなあなたは、もう「アライ」への第一歩を踏み出しています。
アライ(Ally) とは、LGBT当事者ではない人が、LGBTについて理解し、支援する人のことです。特別なことではありません。
- 「彼氏/彼女いるの?」ではなく「パートナーはいるの?」と聞いてみる。
- 「オカマ」「レズ」といった言葉でからかわない、同調しない。
- 多様な性について、知ろうとする姿勢を持つ。
こうした小さな心がけが、LGBT当事者にとっては大きな安心に繋がります。
まとめ:多様性を理解し、尊重しあえる社会へ
この記事では、LGBTの基本的な意味から、より多様な性のあり方、そして当事者の視点をお伝えしました。
- LGBTはレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字。
- LGBTQIA+のように、性のあり方はグラデーションのように多様。
- SOGIは、すべての人に関わる「性的指向」と「性自認」のこと。
- アライとして、一人ひとりができることがある。
大切なのは、知らないことを前提に決めつけず、一人ひとりの違いを尊重することです。この記事が、あなたにとって多様な性について考えるきっかけとなり、「みんな違って、みんないい🌈」と心から思える社会への一歩となることを願っています。
もしあなたが当事者で、一人で悩みを抱えているなら、決して一人ではありません。あなたのことを理解し、支えてくれる場所やコミュニティが必ずあります。ぜひ、信頼できる情報を探してみてください。
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